Tくんが見つけた勉強は

生徒の成長

自習コースに通う高校2年生のTくんが、彼にとって重要な日本史でやっと学年1位が取れたと報告にやってきました。彼はこれまでも頑張ってはいたのですが、なかなか1位は取れなかったそうです。そこで、どうすれば成果が出せるのかをいろいろ考えて試行錯誤したそうです。そんな彼が大切だと考えたのは、「無駄を省くこと」だそうです。その時のTくんの発言を、一部紹介します。

「授業中は寝てます。面白くない授業を聞いても意味がないと思うんです。」

Tくんは面白くない(頭に入らない)授業を聞くぐらいならば睡眠時間に充ててしまったほうが有効に時間を使えると考えたようです。Tくんが毎日自習室で熱心に勉強できるのは、時間を無駄にせず体の休息に努めているからかもしれないなと思いました。

「黒板は写しません。写したところで頭には入らないからです。」

Tくんはノートを取らないそうです。大切なのはノートを埋めることではなく、頭に入れることだと考えているからだそうです。(しっかり睡眠できるのはこのためかもしれません😅)熱心に教科書を読み込んでいるのは、どうすれば頭に入るのかを考えてのことなのだと思いました。

「ワークをやったらできるわけじゃないと思います。」

Tくんはワークもほとんどやらないそうです。ワークは自分の頭に入ったかどうかの確認のためにやるもので、これをやったからといって頭に入るものではないと考えているからだそうです。そのため、提出を求められたワークすら半分ぐらいしかしなかったそうです。(ちなみに、提出したワークには△が付けられて戻ってきたそうですが、Tくんにとってそんなことはどうでも良いことなのだそうです。中学生のときは内申点のために出さなければならなかったのがとても苦しかったそうです。)

しっかり授業を聞いて、きっちりノートを取り、テスト前にはみっちりワークで練習する。成果を出すためにはそうすることが正しいのだ。世間ではそのように考えられていることが多いように思います。しかし、Tくんの勉強はそれとは真逆です。それにもかかわらず、Tくんは高い成果をあげています。それは何故なのでしょうか?

その答えはとても簡単です。それは、勉強することを自己決定したからです。自己決定することが高いパフォーマンスにつながる。自己決定理論によって、そのことが明らかにされています。Tくんが高い成果を出すことができたのは、高いパフォーマンスを発揮したためであり、それは勉強することを自己決定したためだと思います。彼は勉強させられているのではなく、勉強しています。しなければならないことをさせられているのではなく、自分がするべきだと思うことをしているのです。

では、なぜ彼は自己決定できたのでしょうか?それは、彼の心の基盤が確立されているからだと思います。事実、彼の動機づけ診断結果はとても良好です。世間で正しいと言われていることに惑わされることなく、自分にとって正しいことを貫く。それは、心の基盤無しには到底出来ないことです。彼の心には、その基盤がしっかりと築かれているのです。

お子様が身のある勉強をしているように見えないならば、それは勉強を「させられている」と感じているからに違いありません。お子様も自己決定することができたならば、高いパフォーマンスを発揮するようになるでしょう。そのための心の基盤づくりをお手伝いさせていただきたい。私たちはそのように考えています。

※学生の方へ
この記事は、Tくんのやり方をお勧めするものではありません。安易に真似をしては痛い目にあうかもしれません。自分にとっての正しいやり方を見つけよう😉

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