問題を解き終えると、すぐに解答を見る。学習中に子どもがこんな行動をとるとき、どんな想いで学習に取り組んでいるのでしょうか。
小学6年生のSくんは1つ問題を解き終えると、その度にすぐ解答を見ます。最近は「一緒に答え合わせをしようね」と伝えていても、待ちきれないのかパッと自分で見てしまいます。
彼がこのような行動をとるのは、確かめたいからなのです。懸命に考えてたどり着いた自分の答えは、合っているのだろうか?そのことを、すぐに確かめたいのです。そしてもし間違っていたならば、考えが頭に残っているうちに間違いを正したいのです。
そんな彼は、一体どんな想いで学習に取り組んでいるのでしょうか。
Sは、出来るようになりたい!って、めっちゃ思ってるんやなぁ。
なんで分かるんですか?
答え合わせのやり方から感じるねん。もしSが出来るようになりたいって思ってないんやったら、答え合わせをせーへんかったり、後でまとめてバーっとやったり、考え直さずに答えを赤で写して終わりにしたり、、、
それ、昔のオレやん!
そう、約2年前の入塾当初のSくんの行動は、今とはかなり違っていました。上に挙げた行動以外にも、次のような行動が見られました。
- 速くやろうとして、間違いだらけ
- 「習っていないからできひん」と言う
- 考えもせずに、「分からへん」と言う
- 特に考えもなく適当に式を作る
- パッとできなければ、「この問題嫌いや」と投げ出す
入塾当初の彼がこのような行動をとっていたのは、統制的動機づけがとても高かったからです。当時の彼にとって学習は、本心からはしようと思わないことでした。それでもしなければならないとプレッシャーを感じ、仕方なくしていました。
しようと思わないことを仕方なくしているとき、子どもは出来るようになるための行動を決してとりません。出来るようになるための行動ではなく、手っ取り早く終わらせるための行動を取ります。
そんな子どもの学習行動が改善するためには、心が変わる支援が効果的です。心が変われば、学習行動は見違えるほどに変わります。出来るようになるための行動が、自然と生じるようになるのです。