何のためにするの?
私たちが塾として自律性支援をお勧めする理由は、成績向上のためです。しかし、自律性支援はそのような目的のために提唱されているものではありません。
自律性支援の最大の目的は、子どもが責任ある行動を取れるよう発達を促すことです。やりたくないことであっても、大切なことだからやる。やりたいことであっても、今はやるべきでないからやらない。そんな責任ある行動がとれるよう、発達を促す。それが、自律性支援の目的です。
価値があっても、やりたくはないこと。そのようなことは、社会生活を送るうえでたくさんあると思います。多くの子どもにとって、勉強はその一つです。ただし、自分からその責任を受け入れた子どもは、やりたくなくてもきちんと立ち向かうようになります。
「やりたくないけど、でも、大切なことだから。」
そう納得して取り組むようになります。その時、勉強の質は飛躍的に向上します。その結果、成績向上がもたらされる可能性はとても高くなります。ただし、成績向上は自律性支援によってもたらされるもののほんのわずかな一部分です。自律性支援はそれ以上に大きなものを、お子様の人生にもたらすでしょう。
どうすればいいの?
うまくできない!
自律性支援は、最初はとても難しく感じられることと思います。うまくできなかったとしても、決してご自身を責めないでください。子どもたちの勉強と同じく、失敗しながら少しずつ上達していくものだと思います。
もしもお悩みでしたら、私たちにもぜひお話を聞かせていただければと思います。私たちも苦労して通ってきた道ですので、何かお役にたてることがあるかもしれません。できるだけ早くお電話いたしますので、下のフォームにてお気軽にお知らせください。
変化を感じられない!
もっと理解を深めたい!
自律性支援は私たちのオリジナルな考えではありません。様々な科学的研究から見出されたものです。理解を深めたい方のために、おすすめの書籍を紹介します。ただし、自律性支援そのものについての本はほとんど出版されていませんので、紹介する本のほとんどは自律性支援に通ずる考え方の本です。
人を伸ばす力 内発と自律のすすめ
モチベーション研究の第一人者、デシ博士の著書です。内発的動機づけについてや、報酬が内発的動機づけを低める歴史的大発見について、そして、内発的には動機づけられないことを、どのように人が受け入れていくのかといったことについて、詳しく説明されています。子ども、部下、患者のモチベーションを育むために、親、上司、医者には何ができるのか。この本にはたくさんのヒントがちりばめられています。モチベーションの本はいろいろ出版されていますが、特にお勧めなのはこの本です。
脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方
アメリカの神経心理学者と塾の先生の著書です。自ら勉強に取り組む子に育てるにはどうすれば良いのか?その問いに対して、脳科学の観点からの答えが述べられています。それは、子どもが「コントロール感」を持つことであり、そのために親は「強制者」ではなく、「コンサルタント」として接することが重要である。これは、自律性支援と全く同じことです。つまり、自律性支援は、脳科学の観点からも正しいことが分かります。
私たちは子どもに何ができるのか
近年、人生の成功を左右する要因として、非認知能力が重要であることが分かってきています。それは、やり抜く力、好奇心、自制心、楽観的なものの見方、誠実さ、といった能力のことです。この本では、それがストレスのない環境によってもたらされることが説明されています。本書には、自律性支援というキーワードは出てきませんが、自律性支援的な接し方が非認知能力を育むためにとても重要であることが読み取れます。
嫌われる勇気
アドラー心理学の本です。モチベーションの本ではありませんが、子どものモチベーションを育てるために大いに参考になります。それは、本書で紹介される「課題の分離」という考え方が、自律性支援と大きく重なるからです。モチベーションの本よりもこちらの本の方が読みやすく、また、実践につなげやすいと思います。
これら以外にも、塾にはモチベーションの本をたくさんそろえています。もしよろしければ、塾にお読みに来られませんか?