塾ってあちこちにあるけど、良いところを知らない?どの塾が良いのかな?
私はこれまでにかれこれ十ヵ所近くの塾に所属してきたこともあり、このような質問を何回かお受けしたことがあります。生徒にとっての良い塾とはどのような塾なのだろうか…と私はあれこれ考えてきました。そして「良い塾とは、気軽に話せる先生が一人でもいる塾なのではないか」という答えにたどり着きました。
話せる先生ができたことで、様子に変化が表れた生徒は数知れません。挨拶が自然とできるようになった子、学校や家での出来事を話してくれるようになった子、それまでの表情からは思いもよらなかった笑顔を見せてくれるようになった子もいました。こういった前向きな変化が起こると、勉強面でも良い影響が出てくることがしばしばです。分からないことを質問しやすくなる、覚えられない等の悩みを相談できるようになる、先生と話をしていく中で嫌いだった教科に興味を持てるようになった子もいます。
私自身、思い当たる記憶があります。私は算数・数学が苦手な子どもでした。この教科が得意な父からは、小学校高学年のあたりから良い点数が取れない度に怒られ、教えてもらってもさっぱり分からずまた怒られる、という繰り返し。苦手というよりはむしろ「嫌い」な状態に陥っていました。
そんな私が変わるきっかけとなったのは、高校時代の数学の先生です。授業中こそ度々声を荒らげるといった威圧感を見せつけておられましたが、普段はまるで別人のように気さくで細やかな気配りをしてくださる先生でした。授業で分からなかったところを恐る恐る質問に行った私をいつも丁重に出迎えてくださり、疑問点の解決に向けての助言だけでなく自分の趣味話といった雑談も交えながら話をしてくださりました。また、「どんな質問でもいつでも持ってきていい。必ず答えを見つけ出そう」と声をかけてくださったのです。
私は安心して質問に行くことができました。そのうちに他教科の質問や進路の相談をするようになり、先生の話に出てきた数学者や物理学者について興味をもつようにもなりました。それまで嫌いだった数学だけでなく、同様にほとんど興味を向けることのなかった他の理系教科に対しても、ちょっと面白いかも…と思えるようになったのです。
私の場合は、苦手教科の担当である先生と話せるようになったことで、苦手克服への第一歩を踏み出すことができました。当塾に通っている子どもたちにとっても、先生と話をする時間が自分を変えるきっかけになれば良いな。。。そう思いながら、日々子どもたちと話をしております。