「頭に入れるためには繰り返すことが重要!」と、日頃からよく生徒に言って聞かせていますが、今となって自分自身がそれを体感する機会はそう多くありません。しかし最近、小学生との遊びを通じて、改めて体感する機会がありました。
最近、授業の後に小学生の生徒達とデュエル・マスターズというカードゲームをやって(やらされて?)います。基本的なルールは比較的シンプルなので、ゲームに参加すること自体は難しくありません。しかし、楽しむためには避けて通れないことがあります。それは、カードの能力を頭に入れることです。
カードの種類は数千種類と膨大にあるそうですが、私の場合、週に1・2回するだけで、しかも貸してもらうカードがいつも違うので、なかなか覚えられませんでした。また、一度覚えたものについても時間がたつと忘れてしまいます。そんなこともあり、カードの能力を追いかけるのに精一杯で、ゲームを楽しむ余裕がありませんでした。(生徒達は僕を倒すのを楽しんでいる様子でもあるので、それはそれでありなのですが。)
しかし、やはり生徒の関心にはきちんと向き合うべきだと思い、自分用のカードを買いました。そして、単語カードで勉強する生徒のように、何度も繰り返し頭に入れていきました。やりたくてやったというよりは、やらなければという気持ちでやったので、本当に勉強と似たような感覚でした。それでも繰り返すとちゃんと覚えられるもので、次第に絵柄をみただけでそのカードの能力が思い浮かべられるようになります。
すると、思考が1つ上の段階に上がったことがわかりました。基礎知識が充実することで、余裕ができたのでしょう。複数のカードの能力をどう連携させれば良いのか、ゲームをどんな展開にもっていけば良いのか、どのようなカードを自分の持ち札に入れると良いのか。そんなさまざまなことが考えられるようになってきました。そして、考えられるようになると、本当に楽しいと思えるようになったのです。
私は、基礎をしっかり身につけないまま、嫌々勉強に取り組んでしまっている生徒と同じだったのかもしれません。改めて、そして、久々に繰り返しの重要性を体感すると同時に、子供の遊びの中にはいろいろな学びのヒントが隠されているんだなぁと思いました。
このゲーム、思考の面でも優れていると思います。「◯◯ならば✕✕」のような論理的判断が非常に多いですし、その時々の状況からの戦略的判断も必要です。どちらも、数学の思考と重なる部分があるように思いました。(どうやら、このカードゲームの元になったものは数学者が作ったそうです。)お子様が興味をお持ちなら、一緒に楽しまれてはいかがでしょうか。