「すごく頑張っていました!」
お母さまの明るいお声がとても印象的でした。中学2年生のMちゃんの行動は、この1年で劇的に変わりました。
Mちゃんが入塾した中学1年生の夏、彼女の勉強はただ終わらせるためのものでした。分からなくても質問しようともしませんでしたし、答えを写して終わりにすることもしばしばでした。彼女の勉強は分かるための行為ではなく、単なる消化作業のようでした。ただ、彼女がそのような行動をとってしまうのも無理はありませんでした。なぜなら、彼女は強い統制を感じていたからです。彼女の行動は、真の自分に基づいたものではなく、統制の圧力によって生じたものだったのです。
お子様が自分のためにならない行動をするとき、その原因は心にあります。ですから、行動が変わるためには、心が変わるよう支援する必要があります。私たちはご両親と協力して、Mちゃんの感じる統制の圧力を和らげることに専念しました。その結果、Mちゃんの行動は少しずつ変化していきました。
最初は質問しようとすらしなかったのに、教えて欲しいところにしっかりと付箋を貼ってくるようになりました。分からないと思ったらすぐに飛ばしたり答えを赤で写したりしていたのに、今では自分なりにいろんな試行錯誤をするようになりました。一度ワークを埋めてしまえば満足していたのに、効率良く復習するために自分の苦手な問題を抜き出したプリントを作ってまで復習することもありました。苦手だからと避けていた文章題に、できるようになりたいからと一生懸命取り組むようになりました。
そして、入塾から1年と少したった先日のお電話で、冒頭のお言葉がありました。「どうせ私はバカだから。」以前はそんな投げやりなことを言って立ち向かおうとしなかったMちゃんが、一生懸命にテスト勉強に取り組んだそうなのです。なかなか変化が見えないMちゃんにご不安を感じられたこともあったようですが、ご両親はそれでもしっかりとMちゃんを支えられました。Mちゃんの変化は、ご両親の暖かい支援があったからこそ成し得たものだと思います。
お子様が勉強に意欲を示さないとき、大きなご不安を感じられることと思います。そんなときについついやってしまいがちなのは、圧力をかけて行動そのものを無理やり変えようとすることです。そうしたところで行動は表面的にしか変わりませんし、心はむしろ悪化してしまう可能性すらあります。根本的な改善のためにおすすめするのは、心が変わるのを支援することです。私たちは、そのお手伝いをさせていただきたいと考えています。