公立中学校の期末テストが終わり、テストが返却されつつあります。渾身のドヤ顔を見せてくれた生徒もいれば、やらかしてしまった失敗に悔しさを滲ませる生徒もいました。中には、こんな生徒もいました。
中学2年生のRくんは、前回のテストから5計得点を100点近くアップさせました。特に苦手の英語は30点ほど上がり、自己ベストを大きく更新しました。それにも関わらず、彼はあまり嬉しそうではありませんでした。話を聞いたところ、彼はこのように言いました。
「勉強していたところが『たまたま』出たからできただけで、まだ英語の力がついたわけじゃないと思うんです。」
点数アップに浮かれることなく、彼は自身の力量を冷静に見極めていました。そして、その日も手を抜くことなく学習に取り組みました。とてもしんどいであろう、大きな負荷をかける学習に懸命に取り組みました。さらに、今後の学習についてさらなる改善のヒントを求めもしました。
Rくんにとって英語は、苦手な上楽しいとは思わない科目だそうです。だから、本当はやりたくないそうです。それでも彼は、いつも懸命に取り組みますし、アドバイスに真摯に耳を傾けます。いつも欠かさず復習に取り組み、うまく頭に入らないと感じたときは、きちんと助けを求めます。
彼がこのような行動をとるのは、なぜでしょうか?
それは、学ぶための心の基盤が確立されているからです。やりたくなくても、うまくできなくても、それでも懸命に取り組む。それは、学ぶ心の基盤がしっかりと確立されているからこそ、できることなのです。(その心の基盤は、正しく接することで、育んでいくことができます。)
ちなみに、彼は成績アップの理由を『たまたま』だと言いましたが、私はそうは思いません。彼が常日頃からしっかりと学んでいるからこそ、テスト範囲をきっちりカバーすることができたのだと思います。たまたまではなく、そうできることが成績アップの理由であり、彼の実力でもあると思います。
幸運の女神は、準備している者にしか微笑まない。
パスツール(フランスの化学者)