「あ〜面白かった〜!」
そう言ったのは、入塾からちょうど1年たった小学5年生のRちゃんです。
その問題はRちゃんにとって難しい問題でした。ああでもないこうでもないと、しばらく試行錯誤しましたが、なかなか正解は見えてきませんでした。それでもヒントや解説を拒み、彼女はしばらくの間粘り強く考え続けました。結局、自力で正解にたどり着くことは出来ませんでしたが、解説を終えた後に彼女は冒頭のように言いました。
その発言に、彼女の大きな成長を感じました。それは、以前の彼女はサクサク簡単にできることを楽しいと言うことが多かったからです。難しいことに挑戦しようとすることはあまりありませんでしたし、ちょっと難しいと感じると鉛筆遊びや落書きをしてしまうこともしばしばでした。
彼女がそんな意欲的とは言えない行動をとっていたのは、学習を押し付けられていると感じていたからです。入塾前、彼女はプリント学習をする教室に3年ほど通っていたそうです。その教室では、次々と渡されるプリントをこなしていかなければならなかったそうです。そんなことから、彼女にとって学習とは、しなければならないことを片付けることだったのかもしれません。
しかし、今の彼女は違います。しなければならないことを仕方なく片付けるのではなく、自分がしようと思うことに意欲をもって取り組みます。彼女が算数に面白さを感じるようになってきたことには、このことが大きく関係しています。心から「しよう!」と思うことだから深く考え、深く考えるからこそ面白いと感じるのです。