「何で先生は怒らないんですか?」
生徒から時々こんな質問があります。怒られる!と思ったシーンで、怒られないから驚きがあるのでしょう。今、私が生徒を怒ることはまずありません。さとし先生に怒られたことある?とお子様に尋ねていただいてもかまいません。おそらく、怒られた生徒はいないと思います。
ただ、それは決して温厚な性格だからというわけではありません。むしろ、性格的には短気で、かなり怒りっぽいほうだと思います。大学院生のときには、学会での討論ですぐに怒ったような口調になって相手を言い負かそうとするのを何とかした方がよいと、大学の教授に指摘されたこともあります。
ですから、塾で教え始めた頃はよく怒っていました。生徒がちょっとでも私語をしたり、ダラけたり、サボったり、指示通りにしなかったならば、すぐに怒っていました。怒ることはしんどいですが、生徒はパッと従います。だから、指導のためには怒ることも必要なんだと考えていました。
怒ることについて疑問をもつようになったのは、ある出来事がきっかけです。
(次回に続く)